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2016年3月3日木曜日

途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その5




共同体の衰退は経済発展の副作用として
起こったのではなく、必要条件だった、
というのが前回までの話。



バックナンバーです↓



 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その3

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その4

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その6

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その7



経済発展のためには村からは労働力が
企業へと提供される必要がある。

しかしそうなると、共有地管理がされなくなります。

皆さんも聞いたことがあるかと思います。
いわゆる耕作放棄地、里山の荒廃などと
いった問題です。

かつての日本でもそうでしたが、山林や
水は誰のものでもなく、村全体で管理する
ものでした。私有物ではなく共有資源
だったのです。

その共有資源が失われると、ある程度
経済力がある人はそれでも問題はありま
せんが、自給自足で生活してきた多くの
村人はとたんに生活に困ります。

また管理されなくなったり乱伐された
山林は土砂災害などを引き起こしやすく、
被害をこうむった村人はさらに困窮します。


自給自足での生活は収入は確かに少ない
ものの、生きるために必要なものは手に
入ります。

一方で収入が増え、経済的に豊かになる
ことで失われるもの。


これらがトレード・オフされることを中田氏は
指摘し、「その豊かさは共同体を失ったことと
本当に収支が取れるものなのだろうか?」と
疑問を投げかけます。




徳山ダムの底に沈んだ旧徳山村を画いた
「水になった村」という映画のことを思い
出します。



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山を降りて便利になったはずの暮らし。

でも食べるものはスーパーで買わないといけない。

冷蔵庫を開けても何もない。


徳山ではいつでもあんなにたくさん山の恵みを
いただいたのに。

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映画及び書籍「水になった村」については
以前にブログ記事を書いています。↓
http://tomarigi-gifu.blogspot.jp/2014/09/blog-post_15.html
http://tomarigi-gifu.blogspot.jp/2014/10/blog-post_90.html




私たちは、なぜ途上国を「貧困」と見なして
経済援助を行うのか?


次回もまた内容が濃いんです!!



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 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その3

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その4

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その6 

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